認知症の全国の患者数は約462万人と言われており、また、認知症を発症する前段階とみられる軽度認知障害の高齢者も約400万人と言われており、65歳以上の「4人に1人」が認知症とその予備軍と言われています。当院では、MR(VSRAD)や臨床情報(症状や神経心理学的検査)と合わせて医師の総合的な診断を行っています。また、産業医科大学病院 認知症センターと連携しており、患者様にあったよりよい治療を行っています。
VSRAD(Voxel-based Specific Regional analysis system for Alzheimer's
Disease)という検査は、MR画像を用いて、アルツハイマー型認知症に特徴的に見られる「海馬傍回の萎縮の程度」を調べ、アルツハイマー型認知症の診断支援情報を提供するシステムです。MR検査の通常の検査の中で、認知症と疑われた場合に追加して行う検査です。
MRの共同利用では、頭部MR検査の際に、VSRADを撮影することも可能です ▶ 医療機器共同利用について
当院の人間ドックでは、脳ドックにVSRADを追加することも可能です(オプション) ▶ 人間ドックについて
GE 社製 超伝導 MRI 装置
SIGNA Explore
最近、高齢者による運転中の事故が増えてきており、それを受けて、衆議院本会議で改正道路交通法が可決されました。
これは、高齢ドライバーの事故防ぐために改正されたもので、75歳以上の高齢者が運転免許を更新する際の検査で「認知症の疑いがある」と判定された場合、医師の診断が義務づけられました。そのため、医師の診断書で認知症と判断されたり、診断書を提出しなかったりした場合は、免許の取り消しや停止となることがあります。
また、次の免許の更新までに認知症の症状が進む人もいるため、詳しい検査で「問題なし」とされた人でも、逆走など認知症と疑われる交通違反を起こした場合は臨時の検査を受けることになりますのでご注意ください。
もし、運転をされている方で、物忘れがきになる場合は、早めの来院をお勧めします。
また、ご家族の方で、「うちは大丈夫かな?」と疑問がある場合も気軽にご相談ください。